美容室でシャンプーされるとき痒いところがあっても言えない

「痒いところはありませんか?」

美容室でシャンプーされるときにくるあの質問。

もしどこかが痒いとき、あなたは正直に言えるタイプですか?

これはいつの時代も盛り上がる議題だ。令和になろうと関係ない。

ちなみに俺は言えないタイプだ。どんなに痒かろうと平静を装って「大丈夫でーす」と答えてしまう。

一度でいいから痒いところを言ってみたい。

でも、いざそのときになると正直に言えない。

そこで俺は、今度髪を切りに行くときは「痒いところをちゃんと言う」というテーマを持っていこうと決めた。

あらかじめ準備をしておけば、いざその時が来たときにスラっと答えられるだろうと考えたからだ。

そしてこの前、髪を切りに行ってきた。

店に着く。

上着と荷物を預けて髪型を決めたら、いきなりシャンプー台へ。

俺の行っているお店は、髪を切る前と切った後の2回シャンプー台に連れて行かれる。

ここである疑問が浮かんできた。

あの「痒いところはありませんか?」って質問は1回目と2回目のどっちにくるんだっけか。たぶん2回目だろうけど、1回目にきたらどうしよう。今どこも痒くないんだけどな。

シャンプーが始まった。ゴシゴシされる。ゴシゴシされているうちに痒いところが出てくるかなと思ったが、どこも痒くならない。

今質問されても困るな~。してもいいけど、2回目のシャンプーでもちゃんと聞いてくれよ~。

結局、1回目のシャンプーでは聞かれなかった。

カットへ移る。カットの最中、ずっと2回目のシャンプーのことを考えていた。

ちゃんと頭痒くなるかなぁ。今日に限って痒くならないんじゃないかなぁ。

今まで髪を切るときにこんなことを考えたことはなかった。痒いところを正直に言うってこんなに大変なことなんだと、よくわからない気づきを得る。

そんなこんなでカットも終わり、いざ2回目のシャンプーへ。

2回目のシャンプーはとても入念だ。ゴシゴシのスピードが違う。

気持ちいいなぁ。寝そうだなぁ。

いかん。ここで寝てしまっては何のために来たのかが分からなくなる。(分からなくならねーよ、髪を切るためだよ)

肝心の痒さはどうなっていたのかというと、

しっかり痒くなっていた!耳の後ろが痒い!

これはイケるぞ。場所も耳の後ろだから伝え方に困ることはない。「耳の後ろです」って言えば簡単に伝わる。

さあ、来い。いつでも来い。

そして、ついにそのときが来た。

「洗い足りないところはありませんか~?」

………

洗い足りないところはありませんかだと

何だそのトリッキーな聞き方は

洗い足りないところがないかと聞かれれば、そんなところはない気がする。

いや、でもツムジをゴシゴシする回数が少なかったような。かと言ってツムジは痒くない。

ちきしょうどうすればいいんだ

気がつくと、俺は言っていた。

「ありません」

こうしてミッションは失敗に終わったのである。

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